旅先でつく嘘
一人旅したい。
こんなご時世なので、なかなか出かけることが出来なくてストレスが溜まってきましたね。
定期的に一人で旅に出て、昼は観光し、夜はその土地のイケてる飲み屋に行ってその土地で暮らしてる人とお話をするのが好きです。
みなさん大抵親切にしてくれて、どこそこのコレが美味しいとか、どの店よりあの店の方が安いとか、丁寧に教えてくれます。
一度横浜に泊まったときに立ち飲み屋に入ったら、野毛の飲み屋がアツいよって教えてもらって桜木町から野毛まで歩いて移動して「The立ち飲み屋」みたいな店の群れをはしご酒したこともあります。
旅先での出会いは一期一会だから、危ない目に遭わないよう注意しながらも、いつもよりは社交的に振る舞うようにしています。
ここでひとつ告白をすると、わたしは知らない土地に行って知らない土地の人と話すときに密かに楽しんでいることがあります。
それは「嘘をつく」ということ。
職業、名前、年齢、生い立ちなどを聞かれたらすべて偽りの情報を伝えています。
30歳を機に経理の仕事をやめて違う土地に移り住もうと思い日本各地を色々見て回っている人。
不倫に悩みぬいて別れを決心して傷心旅行している営業事務のOL。
彼氏が転勤でこっちに来たので初めて遊びに来た35歳デザイナー。
自分にそんな細かい設定づけをして、身の上話をすると周りの人はたいへん興味深く聞いてくれます。
なかなかいい酒の肴を提供していると自負しています。
ポイントは、あまり大袈裟な嘘をつかないこと。
「ありそうだな〜」くらいのリアリティを保つと、みんな信じてくれます。
たとえその場で仲良くなったとしても、SNSで繋がったり、LINEを交換したりするとのちのち苦しくなるので絶対にやりません。
なぜこんなことをするのかと言うと、自分の住んでいる狭い札幌で嘘をつくとバレる可能性が高いので思いっきり嘘をつけないけど、知らない土地なら誰も自分を知る人はいないので、バレる可能性はゼロ。
ちょっと大風呂敷を広げてしまって疑われても、次に会うことはないのでリスクは特にないですし。
あとは、どうもわたしには変身願望みたいなものがあり、時々自分ではない何者かになりたいと思うことがままあるからなのかも、という自己分析。
自分以外の誰かに扮装することで、旅という非日常を楽しく演出しているのかもしれません。
嘘をつくのは倫理上はあまり良くないことかもしれないけど、誰に迷惑かけてるわけでも、傷つけたりしているわけでもないのでまあセーフだろうと思っています。
…とまあつらつらと旅のライフハック的な情報を書き連ねてきましたが、もし機会があったら試してみてください。楽しいです。
まあこれもぜんぶ嘘なんですけど。