雑記

まごうかたなき雑記です

自転車とうんこの話

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小学生の頃、ストーカーに遭っていた。

 

近所の不登校の中学生から帰り道につけられたり、追いかけられるなどの嫌がらせにあっていた。

わたしの男嫌いはここからきているような気がしないでもない。

 

ある日、自転車で家から3分くらいの歯科医院に出かけた。

自転車を停める時に、視界の端にそのストーカー男がチラッと映った。

気になりはするけど、予約時間も迫っていたので仕方なく駐輪場に停めて病院に入った。

 

虫歯の治療で40分くらいかかり、終わって病院を出ると自転車がない。

カギはかけたはずなのに、盗まれることがあるのだろうか?

ここは閑静な住宅街なのに。

 

咄嗟にストーカーの顔がよぎった。

まだこの辺にいるかもしれない。

 

病院のまわりをウロウロしていたら、自転車のそばにストーカーがたたずんでいた。

やっぱり!

駆け寄ってみると、自転車のサドルに茶色い物体が乗っかっている。

「ん???」

これは…………うんこ!!!

どう見てもうんこだった。

しかもかなり立派。

どこからどう見ても人のうんこ。

ストーカーは、死んだような目をして傍らに突っ立っている。

 

「え、何してんの…?」

思わず話しかけると、ストーカーはこっちを向いた。

話しかけたのは初めてだった。

「あんたがやったの?」

「ちがいます!」

「いや、やってるでしょ」

「やってないです!」

「嘘つけよ」

押し問答が続いた。

絶対にこいつがやったという証拠もないし、怖いので一刻も早く家に帰りたかった。

半べそをかきながらポケットからティッシュを取りだし、乗ってるうんこを避けようとしたら、ストーカーが

「手伝いますよ」と言ってきた。

うん、おまえのうんこだからな。

何も言い返さずにティッシュを渡して、2人で自転車に乗ってるいくつかのうんこを片付けた。

ティッシュごしに掴んだ他人のうんこはあったかくて気持ち悪かった。

ストーカーは「くせぇっ」って小さく呟いてた。おまえのうんこだろ、という言葉は飲み込んだ。

片付けた後に、「ありがとう」とストーカーに何故かお礼を言って自転車を引いて家まで帰った。さすがにサドルに乗る気にはならなかった。

 

帰ってから水拭きして消毒して、しばらく自転車には乗らずに徒歩で移動した。

ストーカーはその後接触してくることはなかった。

 

この話は自分の中でもけっこうなトラウマで、友人や彼氏にも言ったことがなかった。

一度田舎の飲み屋で話したことがあったけど、ドン引きされて終わったのでそれ以来封印していた。

 

でも先日、酔っ払ってゲイバーで披露したら爆笑をかっさらったので、それ以来色んな場所で披露している。

トラウマからやっと脱却できた気がする。